院長論文

在宅認知症患者の訪問診療の中で見えた介護保険サービス利用の不均衡について

はじめに
2000年4月より実施された、介護の社会化ということを理念の一つとして掲げた介護保険制度は、主たる介護者となることが多かった嫁や配偶者等の介護負担を軽減するうえで大きな意味があった。
介護保険サービスには居宅系と施設系、そして地域密着型介護系の大きく三つがあるが、今回2005~2006年度中にかかわった在宅認知症患者に関して世帯別に検討すると、その介護サービスの使い方に特徴が見られた。
小数例での検討ではあるが、17年間、農村地域での在宅医療の日常で経験してきた印象と一致するものであり、今後のケアマネジメントの一参考資料として有用と考え報告する。

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リウマチ科診療所におけるインフリキシマブの使用経験を通じてリウマチ科診療所のあり方を考える

はじめに
今日、病院勤務医の疲弊の原因の一つは患者が過度に集中することが指摘されている。
病院勤務医の負担を軽減するためにはそれゆえ、診療所は軽症例だけでなく、ある程度病状の重い症例をも担うことが求められるということを、暗に示唆する表現がいろいろの文献・文書に散見される。
診療としての役割分担の中身が今日より厳しく問われているといえる。
診療所は従来の外来医療を見直すとともに、在宅医療担当能力を含め、その潜在能力をより高め、従来は担いきれないとした病状を示す症例をも治療・管理することが今日必要となった。
病院勤務医の疲弊に対して我々開業医の支援にもおのずと限界があるが、病院信仰を生み出す土壌をわれわれが変わることで改善してゆく努力も必要であろう。
当院では関節リウマチ(以下RA)のインフリキシマブ(以下IF)による治療に取り組む中で必然的にリスクの高い医療を担うこととなった。
そこでその取り組みの経験をまとまたので報告する。この取り組みはより近くのリウマチ専門医でリウマチ専門医療を受けたいという患者のニーズにも合致するものである。
リウマチ治療のトレンドが新しい時代へと突入した中で、わが国の医療制度の近未来の変革とからめてリウマチ科診療所のあり方を考えてみたい。

以下、論文PDFファイルに続く

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